スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:-- 】 | スポンサー広告 |
納骨
 二人くらい来てくれればいいと言った。母と兄と上がった。あとからあとから親戚や町内会の人、15人が上ってきた。墓は山の麓にあった。伸び放題に竹が伸びて、墓の上空を貫いている。兄が石に触れるが持ち上がらなかった。
「まだです」
 神主は墓の上に壷を置き、挿されたばかりの花の横に火を灯すと、鶴のように石の上に降り立って歌い始めた。一生分の歌。感情も風景も些細なことは排除したあらすじだけの大雑把な歌の途中に、再び母の名、家族の名。15人は、石の囲いの外に立ったまま、最上階に上った太陽に焼かれながら鶴の後姿を見つめていた。風が強い。落ちてくる。落ちてくる。ひらひらと天使の羽根が、竹の山から落ちてきて、花の上に乗った。壷の向こうから黒い煙が上がる。
「大丈夫でしょうか」
 壷に燃え広がることを心配して母が言った。
「左の蝋燭だけ消しましょう」
 長い歌が終わると石が開き、深い墓の底に光が射し込んだ。(こんなところにまで竹が生命を伸ばしている)
「下りてください」
 光の届かない世界に壷を沈めるのは僕の役目だ。
 蓋を開ける。
 骨は、夕暮れのようだった。

スポンサーサイト

テーマ:自作詩 - ジャンル:小説・文学

【2010/09/02 00:43 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
<<重ねて申すもの | ホーム | 別世界>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://junsora02.blog59.fc2.com/tb.php/628-c91c2f31
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。