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ヒッチハイク
お金がないのでヒッチハイクをした。
ドライバーと助手の間に、縮こまって座った。
「今日は、よろしくお願いします」
知らない町まで連れて行ってもらう。

タンスが重い。
落としてはいけないと思いながらも手が、滑る。
ドライバーの頭に、ゴツン。
「殺すぞ!」
発声と同時に、体の中心を蹴られて、言葉を失う。

お金がないので、がんまんをしてヒッチハイクをした。
夕暮れ、知らない町で降ろされる。
ありがとう。なんて、言わない。
歩いていけば、どこかに駅があるだろか……。

誰にも訊かずに、歩く。
優しい言葉を聞いたら、泣いてしまうだろう。
知らない町の、知らない人の言葉で、きっと。

車に、靴を忘れたことを思い出す。
逃げるように、降りてきたのだ。
早くひとりの自分に、戻りたかったのだ。

知らない町にも、夜が、きた。
知らない町の明かりは淡く、優しい色だった。

ゴツン……
ドライバーの頭で
何度も、タンスが鳴っている。

殺すぞ、
言葉はまだ突き刺さったまま
離れないでいる。

駅はこっちだろうか

本当に、こっだろうか


僕は

優しい人になりたかった


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テーマ:自作詩 - ジャンル:小説・文学

【2008/10/15 19:02 】 | できそこない道 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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