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架空友達
友達から電話がかかってくる。
久しぶりに話すのでどう話していいか、わからなかった。
声が詰まったり裏返ったり、なかなかちゃんとしゃべれない。
へー、そんなことがあったんだ。色々大変なんだねえ。
主として聞き役に回りながら、1時間ばかり話し込んでしまった。
「そういうわけで、30万振り込むように」
なんてことはない。友達詐欺だったか。
友達なんていなかったことを思い出して、セーフ。
そういうわけで、事なきを得る。


   *

友達がほしかった。
けれども、作り方がわからなかった。
けれども、友達がやっぱりほしかった。
本当の友達が、ほしかった。
友達を、探した。誰が友達かわからずに、友達を探した。
自分から動かなければ見つけられないと思って。
自分から開かなければ開けないと思って。

「友達になってください」ある日、僕はイトウくんに言ったんだ。

「いいよ」
少し笑みを浮かべながら、イトウくんは、あっさりと、いいよと答えた。
友達を作るなどということは、いとも簡単なことであった。

「ありがとう」
うれしくて、うれしくて、友達ができてうれしくて、ありがとうと言った。
友達ができて、うれしくて、うれしいから自然と笑顔になった。

友達にはなったけど、イトウくんと一緒に遊ぶことはなかった。
しゃべることもほとんどなかった。
友達にはなったけど、友達は遠かった。
そして、だんだん友達は友達ではなくなった。
友達になったというだけで、安心したのがいけなかったか。
友達を作るなどということは、たいそう難しいことであった。

本当の友達にはなれなかった、イトウくん。
「いいよ」と言う、イトウくん。
今も、笑ったまま。



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テーマ:自作詩 - ジャンル:小説・文学

【2008/10/03 02:16 】 | できそこない道 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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