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読書友達
本を読んでいる。飛びながら本を読んでいる。
月の本をエウロパの明かりで読んでいる。
ひらひらと風が物語をめくってゆく。
12人目の宇宙人が見つかったところだよ。
うそみたいな話だけど、まるっきりうそとは思わない。
まるっきりうそと思った瞬間、翼は折れる。
翼は消える。翼は紙くずの夜になり堕ちてゆく。
さようなら。もうおしまい。
起承転結の行方不明になった曲がり角にて。

「飛びながら、読むのも大変だね」
友達が言う。友達は燃えながら、本を読んでいる。
燃えている時間は生きている時間なのだ。
本は、よく燃えるから、友達はずっと生きている。
登場人物は、次々となくなってゆく。
なくなるたびに、明日の曜日を思い出す。
なくなるたびに、生きている自分を見つける。
飛んでいる時間は、時間が速く過ぎる。
2本足で過ぎる動物みたいに、速く過ぎるんだ。
戻れるだろうか、蝶や蜻蛉の散歩道に。
橋の下の猫の隠れ家に。

「次は、何の本を読むの?」
友達が訊く。友達は、本の中にいる。
本の中にいるから、すぐに年老いて、すぐに死んでしまう。
それでいて、いつまでも生き続けている。

「読み終わってから、考えよう」
もう見つけてあるとは死んでも言わない。
飛びながら、読みながら、ちらちらとよそ見する。
ギリギリのところ、現実を見ているのだ。
ページが尽きる頃、次の飛行計画はできている。
少しは、自分の道も歩けばいいのにね。

本を読んでいる。飛びながら、本を読んでいる。
死んだように飛びながら、本を読んでいる。
飛んでいる時間は、生きている時間だ。




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テーマ:自作詩 - ジャンル:小説・文学

【2008/08/03 11:24 】 | できそこない道 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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