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深夜ラジオ
いつもラジオがついていたんだ

   あの頃

 同じ時間に生きている人がいるとわかったことで
 どれだけ安心したか
 自分に向かって語りかけてくれる人がいることが
 どれほど心強かったか

       *    *    *

深夜3時。
スイッチも入っていないのに、ラジオの音がする。
苦情があって部屋に行くと、確かに何かが聞こえる。
よく耳を澄ませてみると、それはビートルズの『Yesterday』だった。
仕方がないのでルームチェンジで済ませる。
翌朝、設備のトミーさんに見てもらったが異常はないという。

スイッチも入っていないのに、ラジオの音がする。
また、だ。
部屋に駆けつけると、やはり何かが聞こえる。
今日は、音楽ではなく人がしゃべっている。
耳を澄ませてみると、それはストリークの漫才だった。
吉本君が「……知りませんけど~」と腹立たしげに言っている。
どうもおかしい。
スピーカーの辺りを叩いてみたけど、拍手は鳴り止まなかった……。
翌朝、設備のトミーさんにもう一度見てもらったが、どこにも異常はないという。

スイッチも入っていないのに、ラジオの音がする。
また、同じ時間に。
今日はいったいなんだろうな?
スピーカーに耳を近づけると、ジージーと聞こえてくる。
どこか懐かしい、昔どこかで聞いたことがあるような……。
「きっとイルカの鳴き声だ!」 
 (ねえ、お客さん)
ああ、そうだ。
ずっと遠くから。だんだん遠くから。
きこえてくる。
翌朝、メーカーの人に来てもらった。これで大丈夫だろう。

皆が寝静まった時間。
時計の針は、もうすぐ90度。
少し期待しながら、僕はエレベーターを見つめている。

スイッチも入っていないのに、聴こえてくる。
ラジオとは、元々そういうものなのだと思う。


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テーマ:自作詩 - ジャンル:小説・文学

【2008/03/11 17:12 】 | できそこない道 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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