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日曜のフットサルとお婆ちゃんの想い出
日曜日はフットサルでした。
新しいチームができたんです。
キャッツ婆って言うんです。

 日曜日でいつも溢れていたんです。
 お婆ちゃんの名前がなぜか思い出せません。
 「ばあちゃん」としか呼んだ記憶がありません。

練習試合は二時から四時と決まっていて、
集合場所には一時半に行ったのですが、
車がやってきたのは二時だったので、
僕らは、もう間に合わなくなっていました。
渋滞のせいで、車が遅れてしまったのです。

 お婆ちゃんの家はとても田舎で、
 それはそれは僕の家よりも、もっと田舎だったのです。
 その証拠に、庭には牛が居て、いつも
 「モー」とか 「モ~」とか 「ンモ~」とか鳴いていたのです。
 多分、二頭くらい。

何と言うことでしょうか……。
貴重な練習時間が失われてしまいます。
着いたら、急がなければなりません。
ストレッチして、しっかりアップして、
体を温める暇なんてありません。

 お婆ちゃんの家に遊びに行くと、
 ご飯がとても熱かったです。
 どうしたら、あんなにご飯が熱いのか不思議でした。
 そしてサイダーは、とても冷たかったのです。
 それは、家の裏に流れている川の中で冷やしてあったからです。
 冷蔵庫なんかよりも、よっぽど冷たく冷えるのです。
 川の中に手を入れたら、きゅっとして、
 それからお魚たちは逃げていくのです。
 川の水はとても澄んでいて、とても緩やかに流れていて……。
 何も急ぐことなんてありませんでした。
 なぜなら、失われていくものより、見つけていくものの方が、
 毎日毎日、溢れていたのですから。

違うんです、本当は。
僕らは(本当は僕だけが)勘違いしていて、
練習試合は三時から五時だと思っていたんです。
だから、黒やぎさんは仕事だから、
途中で帰らなければいけないのか、とか
言っていたのです。
僕にとっては、ほんの十分くらいの遅れで済んで、
幸いだったのです。
電車で一人行っていたら、僕だけ一時間遅れでした。

 お婆ちゃんの家に遊びに行った時は、
 なるべくゆっくりしたかったです。
 日帰りなんてとても残念で、
 帰りの時間を気にしながら遊ぶなんて、
 集中して遊ぶことができません。
 僕が子供の頃は、兄弟も従姉妹たちも、
 みんなみんな子供だったのです。
 やっぱり夜更かしして、遊ぶのが楽しかったのです。

練習施設に着くと、新しくできたユニフォームをもらいました。
約束の時間には間に合わなかったけれど、
ユニフォームだけは、日曜日に間に合ったのです。
二階に駆け上がると、三面あるピッチが見渡せました。
一番小さなのが、僕らの使うピッチです。
新しいメンバーも見えました。
とても大男でした。

 お婆ちゃんは、いつもお菓子をくれました。
 たくさんたくさんお菓子がありました。
 それを持って、僕らは二階へ上るのです。
 階段はとても急な階段で、
 カリン様に会いに行く時の、塔のようでした。
 そこは子供たちだけの遊び場で、
 窓を開けて顔を出せば、何もかもとても小さく、
 雲の上から見下ろしているように、遠くまでが見えました。
 僕らはそこで、よくトランプをして遊びました。
 ありとあらゆる、ゲームを。

新しいユニフォーム、新しいメンバーも加わってのゲームです。
大男がピッチを占領するように立っていたり、
時に玩具のように動いたりするのは、見ていて面白く、
(時にはルールさえも超越しながら)
もしかしたら、監督が招集した最強のカードなのかもしれません。

僕は少し遠目からシュートを打ってみました。
いつものように、またキーパーの正面で、
けれども、弾いたところを16番が決めてくれたのです。
試合は所々でいい勝負でした。
(僕らがアップ不足だったことが相手チームに幸いしました)


 お婆ちゃんは、いつも落ち着いていました。
 腹を立てたり、慌てたりしているのを、
 僕は見たことがありません。
 無表情でいる時でも、いつも笑顔でした。
 それが僕の知っているお婆ちゃんです。
 お婆ちゃんを見ていると、不思議と安らぎ、
 小さな悩みなども、どうでもよくなる気がしました。

 だんだん耳が遠くなっていきましたが、
 お婆ちゃんは、一度も僕の言葉を、
 無視はしませんでした。
 お婆ちゃんの聞こえたように、
 お婆ちゃんが勝手に解釈するからです。

   「雨 止んだね……」
   「亀 死んだかね?」


 
練習試合はあっという間に終わり、気がつくと、
お日様も傾きかけていました。
本当に楽しいことは、いつもすぐに過ぎて行ってしまうのです。
二時間なんて、あまりにもあまりにもあまりにも足りないのです。


 お婆ちゃん、
 僕はまだ練習の途中です。
 本当に楽しいことを、見つけなければなりません。
 短い時間の中でも、見つけなければなりません。


 
今日は、僕らの最初の日曜日でした。
時々思い出すことになるでしょう。


 今では、遥か遠い日曜日です。
 お婆ちゃんのことを、時々思い出します。
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テーマ:自作詩 - ジャンル:小説・文学

【2007/06/02 08:53 】 | できそこない道 | コメント(2) | トラックバック(0) |
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コメント

読み応えがありました。
前後行き交う言葉が詰まってて。

そして最後の2行が、ズンッと胸に落ちていきました、、、。
【2007/06/04 22:58】| URL | チエノワ #z0Dn2JLk[ 編集] |

チエノワさん、コメントありがとうございます。

奇妙な日記を最後まで読んでいただきありがとうございます。
自分では書いていて、相当楽しさがあったんですが、
これ読まされたら苦しいのかな……
とか思っていたので嬉しいです!

最後は作りながら、最後まで悩んでいました^^;
胸に落ちてよかったです♪

【2007/06/05 16:44】| URL | junsora #H8Em3lUo[ 編集] |
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