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水筒
地面から茎を引っ張り出すように
少年はリュックの中から
長細い水筒を取り出した
他の人たちがペットボトルを
口々にがぶ飲みする中

ゆっくりと水筒の口を開けて
慎重に抱えながら傾けた
ジュースでもスポーツ飲料でもない
お婆さんの作ってくれた
麦茶だ

空気と混じりながら
外の世界に飛び出してくると
コップの底を小気味よく叩き
木漏れ日に射されて微妙に
揺れながら輝きながら
少年の鼻先でほのかに香った
注がれる時の勢いや角度から
残された泉の深さを想いながら
一滴も零さないように
口に運んだ

日が暮れるまで
何度も何度もその動作を繰り返して
バスの中で
ついにそれは底を打った

帰り道
少年の背中では
空っぽになった水筒が
まだ一緒に揺れながら歩いていた

それは他の人と比べれば
何百グラムかは
重たかっただろうけれど
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テーマ:自作詩 - ジャンル:小説・文学

【2007/04/13 21:22 】 | できそこない道 | コメント(2) | トラックバック(0) |
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コメント

何百グラムの重さ。
なんだかそれはお婆さんの想いだったり、
お婆さんの想いを受け止めた少年の想いの重みのような
そんな感じがしました。
【2007/04/14 21:42】| URL | チエノワ #z0Dn2JLk[ 編集] |

チエノワさん、コメントありがとうございます。

空っぽになっても、まだ残っている重さ。
なんだかそれも、いいなあと思います。
次から次へ消えていく不確かな世界の中で、
形に残る物があることは、よいことのような。
何百グラムを重荷に思うことがあったとしても、
その中にはみえないものが入っていて、
きっと大事な重さなのだと思います♪
【2007/04/15 05:33】| URL | junsora #H8Em3lUo[ 編集] |
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