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監視カメラ
モニターに映る
ソファーに今夜は
ムジナもおりてこない

騒ぎ
盗み
食べ散らかして
最後はソファーもひっくり返して
散々叱ったのは
昨日

密かに期待していたのだろうか

いつまで経っても(待っても)
心配したような
気配はモニターに映らない

山で 何かあったのだろうか

虫の声ばかり
夜の上に積もっていった


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【2011/01/28 00:22 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
顔拾い
洗面所に顔が落ちているそうです
はい
もう自分がやるべきことはわかっている
洗面所に駆けつける

洗い損ねた
酷い顔が散乱している
直接手を触れないように気をつけて
籠から使用済みタオルを取って
床の上の顔を拾う

今 誰も 決して入って来ませんように
こっそりと拾い終えるまで
誰も 誰も近づきませんように

顔の欠片は
タオルと一緒にゴミ箱に投げ捨てた

洗面台の縁に
黒い眉や褐色の唇が付着しているのを
歯ブラシで中に送り込んで
水に流した

そうして厄介な顔は
全部消えたはずだったが
邪悪な怨霊のように漂っている
匂いが逃げ出す窓はない

行き止まりの顔をした
男はベンチで煙草をくわえていた
よろめきながら立ち上がると
脚は洗面所に向く

「今度はちゃんとできるといいね」

グチャグチャの
スクランブルエッグをつついていると
3時間前の自分の顔が浮んできた
何でもない顔の自分が
自分の顔が急に恐ろしくなって
トーストの上に
溶け出してしまう

テーマ:自作詩 - ジャンル:小説・文学

【2011/01/25 02:50 】 | だいたい5行詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
着地
眠るための努力を
横になったり眼を閉じたり
遠くを見たり限りなくしていた

校長先生が壇上で手を伸ばして
僕も伸ばすけれど届かなくて
歌っているのが長くてくたくたで
試合は人参を刻んだように終わって
表彰式が長くて遠方からお越しの方が
入れ替わり担任を務めながら出席をとって
今は山登りの途中だからうそだと思うなら
隣の人の頬を思いっ切り叩いてもかまわないと
言葉に沿って対抗戦が始まってしまう
夢を見たんだ
うそだ夢なんかないんだ
本当だ現にこれが夢だ
うそだ痛いほどに本当なんだ
本当だ夢の中の山なんだ
うそだあいつはうその担任なんだ
本当だあとでわかるんだ

ゆっくりと浸透していくのが好きです
話し始めれば終わることもなく広がっていく
それでも終わることが怖くて
話し始めることは難しくて苦しいのだけれど
その苦しさが好きです
苦しさを共有できる人のことが好きです
跳ね返った言葉によって
自分の話すべきことがゆっくりと思い出されて
本当だ
もっと早くに話し始めればよかったと思います

うそだ そんなのうそだ だってこれは夢なんだから
本当だ 僕はあいつのことを知っているんだから
みんな静かにして ちゃんと聞きましょう

ひとつもいいことなんかありませんでした
「置いておいていいから」
あの人はいつもそう言いました
けれども私は置いておくことがとても嫌で
自分でどこか遠くへそれを運んでしまいたかったのです
「何もしなくていいから。見ていればいいから」
ずっと遠くへ心配の及ばない場所に優しく遠ざけてくれます
けれども私はじっとしていることがとても苦しくて
魔物が潜むという恐ろしい夢の中へ飛び出したのです

うそだ 死んだら夢が終わっちゃう
本当だ 夢見る人は死なないんだから
みんな 夢を見ながら死んでいきましょう

さてさて発表会はこの辺りで
そろそろ山を下りましょう
校長先生が壇上から僕を蹴り落とす
岩石を握り締めたまま
僕はうつ伏せに着地する

テーマ:自作詩 - ジャンル:小説・文学

【2011/01/21 20:03 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
返却口
「ここからあの棚が見えるかい?」
「何かが、あるような気がする」
「あるんだ。皿が」
「何かが、薄っすらと見えるような気がする」
「あるんだよ。皿が」
「1枚か、2枚か、あるような気がする」
「1枚の皿があるんだ」
「カレーか、ピラフか何かの皿だろうか」
「何でもいいんだ。とにかくあるんだ」

「夜明けまで、あのままなの?」
「いや別に。取ってきてもいいんだけどね」
「僕が気づかないとあれはあのまま? ずっとあのままなの? 持って来いということ?」
「いいんだ。もうすぐ、こちらから行く」

「ありがとう」
岸辺近くまで、彼が持ってきてくれていた。
潮の香りの中、夜の色のトレイを抱え、小刻みに震える皿に付着した黄金色に波の雫が、落ちる。
「やっぱりカレーだ!」
「それは問題ではない」
男は、もう一度繰り返す。
「そこは、問題ではない」



【2011/01/21 16:08 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
まどろみ
改行をして次の言葉を待っていると
新しいメッセージが届いて
脈絡のないおせっかいと誘惑に
打ちのめされる
それはプログラムが送信している
機械仕掛けの羅列
勝てない どうしても勝てない
と閉じてしまう

戸締りは簡単に済んだ
ロボット言語は滅びたように見えなくなった
生身の声も一緒に
元よりそんなものはあったのか
アクロスティックよりもうまい棒の方が
遥かに人々の口に合うと言って

言うまでもなく家は取り壊されて
また一人といなくなってしまったから
空地になって
警備員が杖を一振りすると
駐車場が出来上がってうとうとする

いたいいたいいたいところを突く
目覚めのつぼですと指が語る
痛いのは眠さの表れ

テレビの中に映りこむそれを
僕は見ているわけではないのに
あれはハンバーグかい?なんて訊かれて固まる
世界最強の生物
海でも川でも陸でも空でも宇宙でも
生きて行けたらいいのに

限りなく下を向いてしまうから
ストローをくわえる以外に道はなく
細まる道の中をストローはやがて沈んでしまうのを
唇は力なく絶望に暮れかけている
なんと言ったら伝わるのか

深海には深海の言葉があって
密かな鞘の中に小さな翻訳家が隠れ住んでいる
おーいキミはここでね

誰に言ったのか返事はなくて
待っててねのねだけが漂っている
朝は間もなく壊されてしまった
プログラムが感情によって突き破られたように
鳴いているのがきこえる


【2011/01/20 19:21 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
未確認歩行物体
これでもかこれでもか
しゃもじで鬼を懲らしめるように
弁当箱にご飯を詰める

薄汚れて
すっかり浴槽に無頓着になって街に出れば
ちゃらちゃらと雲が集まってくる


必死に伸びて三角定規を作っている
ちょっとごめんよ
穴を潜ってその先へ進む
定規とか定義とか定住とか
本当は苦手なんだ

謎の生物が道路を横切る
猫にしては長すぎる
あれは光の作り出した帯が
生き物の形をみせているだけ
ちがう ちがう
確かに生きている実体がある
触れる

これでもかこれでもか
しゃもじで朝を押し殺すように
弁当箱にご飯を詰める
これはコンビニの代わり まかないの代わり
思い出なんかではない

手放したロープが虚空の犬をつれて揺れている
女の声があとからついてくる

どこに行くの

どこに行くの

ジョイ

【2011/01/19 22:32 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
マジック
金網の隅の鉄柱に

ずっと掛けられたままの上着

冬がやって来て

旅人は忘れ物を取りに戻ってきた

上着を取ると三つになった猫がいた

【2011/01/19 01:33 】 | だいたい5行詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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