スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:-- 】 | スポンサー広告 |
手洗い
洗面所の中には
幾つもの千切り取った
三角が散らばっている

 あなたはいつも
 隅っこが好きだったから
 好きで集めているのね

いいえ先生
僕は好きで髪を伸ばした
ことなど一度もありません
自然のままになっていただけ

 無駄に長い前髪を
 わざわざ切ってあげたのに
 あなたは未だに何も
 役に立たないことを書いているのね

いいえ先生
余計なことを書かなくていいから
僕はこうして書くことができるのです


白い壁に夕焼けがかかり
いちご焼けしていた
それはついさっきまでのこと
まるで幻だったかのように外は白く
そしてこれから急速に黒へと染まっていくだろう
変換キーを押したままキミは動かなくなった
だから僕は待つことに決めた


しるしに沿って千切り取った
三角がわけもなく落ちている

僕はまた拾い集めない

スポンサーサイト

テーマ:自作詩 - ジャンル:小説・文学

【2009/02/23 16:05 】 | できそこない道 | コメント(0) | トラックバック(0) |
幻の家 
窓の外を眺めていると
おばあさんの家が見えた

木があり池があり
坂の上に一軒
あれがおばあさんの家

トンネルを抜けると
おばあさんの家が見えた

犬がいて魚がいて
広い倉庫があって
あれがおばあさんの家

今すぐタイムスリップして
飛んでいけたなら
コロにも逢えるのに

気がつくと眠ってしまっていた

窓の向こうを眺めると
おばあさんの家が見えた

二階の大きな窓が開いている
裏に回れば小さな川が流れている
あれがおばあさんの家だ


何度も繰り返し
いくつもの
おばあさんの家を見た

そして
突然それは見えなくなった



終着駅が
近づき


テーマ:自作詩 - ジャンル:小説・文学

【2009/02/04 01:22 】 | できそこない道 | コメント(0) | トラックバック(0) |
イカを裂く
最後の月に入ると
イカを裂くことが増えた

山と積まれた箱の中には
長い間閉じ込められていた
イカイカが眠っている

捜査員が証拠の品を押収するように
一つ一つ大切に運んできては
箱の中の闇を開放する

束になったイカをほどくと
イカの上には
昔の人の名前が書いてある

イカを手で裂くのは
なかなか骨が折れる
甘くみては手を切ってしまう

イカで手を切ると
はじめ薄っすらと線が走り
後から鈍い痛みと血が追いかけてくる

「これは誰かな?」

「こんな人もいましたね」

懐かしい名前が立ち現れると
ふとイカを裂く手が止まる

夜の間ずっとイカを裂いている
二つに裂いたり三つに裂いたりする
裂いても裂いてもイカはなくならない

しばらくの間 イカを裂く仕事は続きそうだ

世間では
イカさきくんという機械も当たり前にあるようだが
あえてそれは口にしない

私たちの手先は

従順


テーマ:自作詩 - ジャンル:小説・文学

【2009/02/02 01:38 】 | できそこない道 | コメント(0) | トラックバック(0) |
ひとつき
頭が痛い
と思って上をみると
黒い文字が覆い被さっている

時の流れが
引き寄せた言葉の雲

明日が見たければ
自分で自分の言葉を書き始めなさい

蟻が小さな声で歌っていた


今日のままきっと

誰も困らない


テーマ: - ジャンル:小説・文学

【2009/02/01 12:12 】 | できそこない道 | コメント(0) | トラックバック(0) |
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。