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月曜の夜
「食べる?」

忙しい時なのに……
それに
賄いは廃止になったのに……

「ありがとう」

月曜の夜
キタさんは
内緒で何かをくれる
お腹が空いているので
いつも遠慮なくいただく

アツイアツイ
ホクホクコロッケ
こっそりいただく

巡回員に見つかると
大変だから
熱いけれど大急ぎ

こんな時に限って
新しい客が押し寄せる
ちっ
「きやがったか」

熱いけれど
大急ぎで食べる

ふーっ
もう少しで死ぬとこだった

「ごちそうさま」


   *

世情による物価上昇によりやむを得ず一部メニューを廃止させていただきます。

なんて言うのはうそ
なんのことはない
キタさんが退職したからです

みんな
うそばっかりなんだから



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テーマ:詩・ポエム - ジャンル:小説・文学

【2008/09/29 18:13 】 | できそこない道 | コメント(0) | トラックバック(0) |
ナポリタン
心に決めてきたんだよ
今度きたら あれ食べよって

熱々の鉄板の上で
ジュージュー音立てて
とてもおいしそうな匂い

ナポリタンを 頼んだよ

スパゲッティの上に
たまごがのってる
上からたっぷり
パルメザンチーズを注いだよ

うん やっぱり おいしいよ
熱くて熱くて やけどしそうだけど

ナポリタンは おいしいよ

パルメザンチーズを
もっともっととふりかけると
途中で出なくなったから
もっともっと強くふったら
粉でないもの出てきたよ

なんだろな
気にせずに
横によけておいたよ

ナポリタンは おいしくて
ふーふーしながら
ぜんぶ食べた

ベーコンのきれはしも
ピーマンの焦げたのも
残さず食べた

真っ黒い 静かになった
鉄板だけが残ったよ

ナポリタンは おいしかったよ

なんだったかな
横によけておいたもの
思い違いだね きっと
願いながら見たんだよ

粉でない黒いかたまり
フォークでつっつくと
足が六本生えてたよ

やっぱり

ナポリタンは

おいしかったんだけどね


とっても




テーマ:自作詩 - ジャンル:小説・文学

【2008/09/23 18:49 】 | できそこない道 | コメント(0) | トラックバック(0) |
短距離走
短距離のスタートを切るのは初めてだった。
スタートラインには金属の装置があり、それを足に装着しなければならない。
わからないなりに、なんとか装着してみるが、これでスタートが速くなるのだろうか?

短距離の選手に推薦されたのは、突然のことだった。
他に推薦されるものもなく、代表選手になった。
それまで何の実績もなかったので、驚いた。
隠された実力に、何人かの者が気づいたのだろうか、推薦した人の顔は見えなかったけれど、そう考えれば少しうれしかった。

用意と言われるままに用意した。初めての用意だった。
銃声を聞いてスタートを切った。みんな横並びだ。大丈夫、走れる……。
そう思ったのは、10メートルか、5メートルまでだったか。
突然に、置いていかれるのを感じた。まるで仲間はずれにされるようだった。
いやだ! 絶対に。 こんなのは、いやだ!
走るために選ばれた者たちに、自分一人が離されていく。
いやだ! 本気を出すんだ!
これまでにない力を出した。自分以上の自分を出そうとした。
その瞬間、足がおかしくなって、転んだ。転んで、起きて、また走った。
走る理由もわからず、走った。
誰もいなくなったゴールにたどり着くと、先生と競技委員の人たちが拍手で迎えてくれた。
悪気のない音が容赦なく突き刺さってきて、全身の力が抜けていった。
どこか遠い場所からかつてないほど大きな後悔の波が、幾つも幾つも押し寄せてきた。
抗いようもない、波だった。

あれは、何距離走だったろうか……。
あの時、なぜ僕は走ったのだろう? 
そして、泣いたのだろう?
短いような、長いような、距離だった。


テーマ:自作詩 - ジャンル:小説・文学

【2008/09/12 18:38 】 | できそこない道 | コメント(0) | トラックバック(0) |
誰かが背中を見ている
うつむき歩く僕を

自転車で

追い越しながら
振り向きながら
微笑みながら

青年は

「……」と言った

一瞬 誰だか

「……」

わからず笑顔を返した


背中は

遠ざかっていく




テーマ:詩・ポエム - ジャンル:小説・文学

【2008/09/09 16:53 】 | できそこない道 | コメント(0) | トラックバック(0) |
夢の中の人々
風邪をこじらせて数分間休む。
数分間休んだくらいではなかなか回復しない。
できれば豊かな国の夏休みくらい休みたいのだが、あまり休んでいるとみんなから忘れられてしまうのが怖い。
けれども、もうとっくに忘れられていることを、うっかり忘れているのだからやはり少し頭がおかしい。
風邪をひいた時くらいしか休めないのだから、ゆっくり休んだ方がいいのだ。
そう思って眠る。眠るとへんな夢を見る。
世界中から激励のメールが届く。
というのは、夢だった。代わりにへんなメールが届く。
どうやらこっちが現実らしい……。
現実が煙たくて眠ることにする。眠るとへんな夢を見る。


  *

家の庭で花火大会が開かれることになった。
すると家に脅迫状が届いた。
「どこへ逃げても逃げ場はないぞ」
花火大会を火の海にするというのだ。
けれども、みんなが楽しみにしているので中止にはできなかった。

花火大会の夜。
警戒しながら花火を楽しんでいると、コウモリがやってきた。
キーキーと攻撃を仕掛けてくる。
やっつけようとすると、祖母に怒られる。
「コウモリをこんなに攻撃的にさせたのは誰だろうね」
コウモリにしてみれば、どんなに恐ろしかったことか。
人間の腕の一つがどれほど巨大なものであったか。
さんざんと説教されて、コウモリは悪くなかったと反省する。

透明な液体の入った瓶が発見される。
「こんなものはなかったはずだぞ」
すぐさま110番する。
脅迫状が届いたところから説明するので時間がかかる。
瓶の発見まで及んだところで息が苦しくなり、声が出なくなった。
母は、ただ小さく固まって動けない。
父は、透明な液体の入った瓶を開けてしまった。
冷静さを欠いた身勝手な行動である。

透明な液体の入った瓶に、危険性は認められなかった。
留守中の姉が、植物を育てるために用意した水だったからである。
「こうして入れておくと、いつでも水をあげれるでしょう」
花火大会は何事もなく終わった。

刃物を持った男が家に入って来そうだ。
鍵をかけようとしたが間に合わなかった。
男は普通の顔をして、ずかずかと入ってきた。
開き戸を外して咄嗟に立ち向かう。
突っ込んで来れば、開き戸で叩きのめしてやるつもりだった。
男は、突っ込んでは来なかった。適当に距離を置いて構えている。
開き戸を持って追いかけても、かわされてしまう。
開き戸は、重かった。持ち続けているだけでも、体力を使う。
どうしたものか。
あの男が、脅迫状を書いたのだろうか?

  *


夢に明確な答えを求めるのは、間違っている。
夢は、夢なのだから。
夢の中では、現実離れした恐ろしいことが起こったり、時に恐ろしいほどリアルだったりする。
夢は、旅のようだ。

戻ってきても、しばらく旅の続きを引きずっている。
旅の中では、懐かしい人たちとたくさん出逢う。


風邪をこじらせて、休みながら旅をした。
そろそろ自分の居場所に戻らなければ。
果たしてそれはどこにあったのか。
どこにもなかったのか……。

それならそれでどうすればいいのか。

これから、作っていくことができるだろうか。


旅の終わりは、いつも戸惑いにあふれている。



テーマ:恋愛詩 - ジャンル:小説・文学

【2008/09/02 18:39 】 | できそこない道 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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