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もしも
とてもお腹が空いていたなら スキーはステーキに見えるでしょう ごく自然に クリニックはニンニクに見えるでしょう 人は見たいものを見るのです 今日は先生にみてもらう日です この雨も そろそろ雪に見え始める そのはずです |
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理由もなく
泣きたくなるのです 二月が終わる頃になると 遥かなる距離を越えて オレンジの光が届いたのを知った時 理由もなく 泣きたくなるのです 小さな息吹が 青白い風の中に 溶け込む匂いを知った時 私は 生まれるよりも遥か前のことを 思い出しながら 理由もなく涙を流し 歌わねばならないという理由において 歌うのです 遠い過去の人である私の声が あなたの元へ届く日を 想像したりしながら |
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正しいことを言う時は
少し下から言いなさい 正しいことを言う頃は もう相手も気づいている その大いなる正しさで 無知と誤りを知らしめて 突き落としてはなりません と 誰かに習いませんでしたか それでもきみは言えばいい 私はきみの正しさを 静かに耐え忍びながら 新しい知を学びます 色々と |
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無造作に手袋が干してあった
一つ二つ三つ四つ…… いくつもの手が 東を向いたものは朝日を受け止めようと 上を向いたものは雲を 横を向いたものは横殴りの雨を 掴み取ろうと こちらを向いたものが何かを だがそのメッセージは 手から滑り落ちるように だから読み取ることはできなかった ただ一つの手は下を向いて それはまるで 何かを掴み損ねたように 下を向いていて 遠い過去に 何か忘れたように |
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いつも
負けそうで いつも 負けそうで いつも いつも いつも 私は自分を まず励まさなければならない 自分の唄で 人を愛する前に いつも 泣きそうな いつも 泣きそうな いまも いまも いまも 泣きそうなきみに 届ける唄をうたう前に 私は自分から 愛さなければならない 自分の唄で 人を愛する前に |
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華やかな世界に
暗がりを連れて紛れ込んで 迷子のように靴を見ながら 強がりの消えた言葉を吐く 宇宙なんて 見なければよかった きみの遠さ 知っただけで 穏やかな世界 そこにいることもできたのに |
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完成することのない
できそこない道を 僕は歩いている 進んでいるのか 戻っているのか それさえわからない それでもかえれない できそこない道を 僕は歩いている つまずくことばかり 挫けることばかり たどりつくこともない どこにもかえれない できそこない道を 僕は歩いている |
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檻の中に檻があるから
檻の外の空は やはり檻の中にあった ひび割れた プラスチックの水槽の中に 海があって そこから見上げた空は やはり本物の空ではなかった 囲われた空 みせかけの青と 気休めの自由で塗りたくった ちっぽけな空は 紙飛行機さえも 夢を運べなかった いつ こんな空を選んだだろうか |
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僕は
きみの言葉が わかっていない 一語一語は わかるけれど それをつないだ時には もうまるでわからなくなる 世界に伝わるようには うまく言葉にできない 僕は きみのことが わかってしまう 一語一語は わからないけど それがつながった時 なぜかわかったような気がする きみの顔が浮かんでくる 世界に伝わらない輪郭で |
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歩く
夜明け 道を 歩く 夜明けの夜 さよなら 歩く 歩道 歩く 前に 歩く 夜明けの夜 おやすみ 歩く 夜明けの街 歩く 歩道橋 渡らない 歩く 夜明けの道 信号 光る 木 眠ってる ビル 立つ 歩く バス停 待つ 明るい まだ 明るい 歩く 人 すれ違う 空 変わる はじまる 何か 新しく 歩く 車 照らす 木 息してる ビル 灰色 家 灯り ゴミ 舞う 時 静か 音 拾う はじまる 何か いつもの 通りに ひとつ ひとつ 特別に 歩く 歩く 歩く ほら だんだんと 明るくなってきた 夜明けの朝 おはよう |
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ノートの片隅に
詩を書いている 誰に見せる あてもない 頭の片隅に 詩を留めている 未だ現れる 気配はない カフェの片隅で 詩を書いている 誰に会う 約束もない 世界の片隅で 詩と向き合っている そうしていると 寂しくもない |
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広い広い
世界の中に 取り残されて 小さくなってしまったら 世界の外に出てみよう 新しい出会いを求めて 未知の世界に きみは 驚きに震えながら そして 知るだろう すべてはほんの一部だったと 小さな小さな世界の中で 小さくなっていた自分を 広い広い 世界の中で 名を持ち得たことの奇跡を |
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