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雪だるま誕生
コーヒーを飲んでいると
上から雪が降ってきたけど
知らないふりをするのが大人だと思って
そのまま動かずにいた

隣の人も気が付かないふりをして
どんどん雪は降りかかるけど
振り払うのは大人ではないと思って
そのまま動かないでいた

僕の上にどんどん雪が降り積もって
なんとなく
隣の人にも同じ分だけの雪が
降り積もって
早く真っ白に包まれて
誰からも見えなくなった方が
勝ちだという気がして
じっと動かないでいると
もう本当に動けないのだ
という気がしてきた

やがて僕の方からは
世界は完全に見えなくなってしまった
世界は元気にしてるだろうか
僕と張り合っていたあの馬鹿は
もう死んでしまっただろうか

あたたかい
もののことばかりが思い出される
あたたかい
ストーブ
毛布
スープ
コーヒー



「あっ、雪だるま」

僕のこと

僕のこと


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テーマ:詩・ことば - ジャンル:小説・文学

【2011/09/29 02:53 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
ランダム   
ドラマはテレビショッピングに上書きされて
さらにその上からニュース速報が降りかかり
そのまま押し潰してしまった

急ぐことはないけれど街へ飛び出した
気分で

転がってくる空き缶
蹴り飛ばしたら
二つに割れて
桃太郎さんが旅をしている

こんなことってあるの
こんなことだってあるの

途中参加歓迎 
と桃太郎さんは言った
うちのメンバーは固定制じゃないから

お帰りはご自由に
とも

いつ始まってもいいし
いつ終わってもいいし

どうぞ粗茶ですが
旅の仲間のカタツムリが
歩み寄ってくる
誰かが買ってきたお菓子もあるよ
うん
これっていいじゃない

一つ一つ
順序立てられた行為の中に
苦痛は隠されていた

欲しかったのは
押し付けられる言葉ではなく
あるはずもないように
ふわり
あるようなもの

雲の切れ目から月が現れて
だんだん近づいてくる
ふわーっと
降りてくる
空を裏切るようにして
どうしてこちらへ
どうして僕の方へ

風船は歌いながら
秋のような速さで
近づいてくる

何の詩?  何の詩?

手を伸ばす


【2011/03/09 21:00 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
果てしない否定
「私は請求書ではありません」

それを聞いて安心したよ
でもなんで 言ったの?
わかったの?
僕の心配していること
キミが請求書じゃないかと疑ったこと
ねえ なんで


「私……

私は、恋文ではありません。

私は、遺言状ではありません。

私は、回数券ではありません。

私は、テレホンカードではありません。

私で、電車には乗れません。

私で、電話はかけられません。」



ああ もういいよ わかったよ



「私……

私は、学校の先生ではありません。

私は、銀行員ではありません。

私は、宇宙飛行士ではありません。

私は、人間ではありません。

私は、百獣の王ではありません。

私は、そんな大層なものではありません。」



わかったよ もういいんだ
請求書でないなら 
きみが何だって

【2011/02/22 17:16 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
ジューススタンド
開いたところで
何も書かれてないような
引継ぎ帳をしつこく読んで
(つまり同じところを繰り返し)
何もないと思いつつ
この動作が
どこかで生きてくるのだろうか
などと思いつつ
たどり着いたジューススタンド

わけのわからなかった詩が
少しだけわかったような気になるのは
詩の後に短い解説がついているから

ストローをさしたままカップは動かない
携帯電話
ノート
ペン
読みかけの詩集
テーブルに自由に広げていると
だんだん自分の部屋のような気がする

休憩は減って仕事は増えて
圧縮したハンバーガーのようで
体は重くて

 僕はのっぽさんになりたいです
 道行く人を蹴り倒して歩くのです

 楽しむ力があればどんな本も楽しい
 力不足でまだ人生が楽しくありません

 届くかなんてわからないのに
 あなたは呼びかける
 あの世にまで届きそうな声で
 呼びかけるのに僕は
 黙ったり泣いたりしているだけ

 どっからでもかかってこい
 8月の風が吹き抜ける散歩道から
 遠く離れた町の喧騒の中から
 ロケットの飛び交う星の上から
 あなたの声を届けて欲しい
 昨日からひとりだから

甘すぎて
僕はペンを止め横を向く
レモン
チェックの舟に揺られて
誰かがリクエストするまで
旅の途中

ナイフが果汁を飛ばしたように
どきりとする
急に主観的な言い方をするので
そこは
自作の詩について
語っているところだった
そう 自分の

 父が死んでも
 何ともないと思っていました
 ずっと思っていたのです

久しぶりに客が入ってきた

「AのMの氷なしで」

【2011/02/03 00:23 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
クッキー 
私は手作られの
おいしいクッキーだ
手包まれた透明なケースに
分かれ分かれて
たくさんの人の手に行き渡るように
と 作者の心配り

一度手を触れて
持ち上げて回して
眺めるだけ眺めては
テーブルの上に戻される
誰も 開封を知らない

「あの人おかしいよ」

私の作者のこと

「おかしい、おかしい」
「何か、こわいよねぇ」

おかしい人が持ってきた
お土産ものだから
私もひょっとしておかしいというわけさ

本当は一字だけ違っていて
おいしいのだけれど
微妙な違いに気づく人なんていない

親切なお兄さんが
ようやく私の一つを掴んで
そのまま家に持ち帰った

家には
私のようにおいしそうなお菓子たちが
たくさんたくさん並んでいて
私は棚の上
ちょうどビスケットの横にぽんと置かれた
まま

「あなたは三ヶ月して捨てられるのよ」

ビスケットが囁いた
かわいそうに
この子も ちょっとおかしい


【2011/02/01 02:35 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
監視カメラ
モニターに映る
ソファーに今夜は
ムジナもおりてこない

騒ぎ
盗み
食べ散らかして
最後はソファーもひっくり返して
散々叱ったのは
昨日

密かに期待していたのだろうか

いつまで経っても(待っても)
心配したような
気配はモニターに映らない

山で 何かあったのだろうか

虫の声ばかり
夜の上に積もっていった


【2011/01/28 00:22 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
着地
眠るための努力を
横になったり眼を閉じたり
遠くを見たり限りなくしていた

校長先生が壇上で手を伸ばして
僕も伸ばすけれど届かなくて
歌っているのが長くてくたくたで
試合は人参を刻んだように終わって
表彰式が長くて遠方からお越しの方が
入れ替わり担任を務めながら出席をとって
今は山登りの途中だからうそだと思うなら
隣の人の頬を思いっ切り叩いてもかまわないと
言葉に沿って対抗戦が始まってしまう
夢を見たんだ
うそだ夢なんかないんだ
本当だ現にこれが夢だ
うそだ痛いほどに本当なんだ
本当だ夢の中の山なんだ
うそだあいつはうその担任なんだ
本当だあとでわかるんだ

ゆっくりと浸透していくのが好きです
話し始めれば終わることもなく広がっていく
それでも終わることが怖くて
話し始めることは難しくて苦しいのだけれど
その苦しさが好きです
苦しさを共有できる人のことが好きです
跳ね返った言葉によって
自分の話すべきことがゆっくりと思い出されて
本当だ
もっと早くに話し始めればよかったと思います

うそだ そんなのうそだ だってこれは夢なんだから
本当だ 僕はあいつのことを知っているんだから
みんな静かにして ちゃんと聞きましょう

ひとつもいいことなんかありませんでした
「置いておいていいから」
あの人はいつもそう言いました
けれども私は置いておくことがとても嫌で
自分でどこか遠くへそれを運んでしまいたかったのです
「何もしなくていいから。見ていればいいから」
ずっと遠くへ心配の及ばない場所に優しく遠ざけてくれます
けれども私はじっとしていることがとても苦しくて
魔物が潜むという恐ろしい夢の中へ飛び出したのです

うそだ 死んだら夢が終わっちゃう
本当だ 夢見る人は死なないんだから
みんな 夢を見ながら死んでいきましょう

さてさて発表会はこの辺りで
そろそろ山を下りましょう
校長先生が壇上から僕を蹴り落とす
岩石を握り締めたまま
僕はうつ伏せに着地する

テーマ:自作詩 - ジャンル:小説・文学

【2011/01/21 20:03 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
返却口
「ここからあの棚が見えるかい?」
「何かが、あるような気がする」
「あるんだ。皿が」
「何かが、薄っすらと見えるような気がする」
「あるんだよ。皿が」
「1枚か、2枚か、あるような気がする」
「1枚の皿があるんだ」
「カレーか、ピラフか何かの皿だろうか」
「何でもいいんだ。とにかくあるんだ」

「夜明けまで、あのままなの?」
「いや別に。取ってきてもいいんだけどね」
「僕が気づかないとあれはあのまま? ずっとあのままなの? 持って来いということ?」
「いいんだ。もうすぐ、こちらから行く」

「ありがとう」
岸辺近くまで、彼が持ってきてくれていた。
潮の香りの中、夜の色のトレイを抱え、小刻みに震える皿に付着した黄金色に波の雫が、落ちる。
「やっぱりカレーだ!」
「それは問題ではない」
男は、もう一度繰り返す。
「そこは、問題ではない」



【2011/01/21 16:08 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
まどろみ
改行をして次の言葉を待っていると
新しいメッセージが届いて
脈絡のないおせっかいと誘惑に
打ちのめされる
それはプログラムが送信している
機械仕掛けの羅列
勝てない どうしても勝てない
と閉じてしまう

戸締りは簡単に済んだ
ロボット言語は滅びたように見えなくなった
生身の声も一緒に
元よりそんなものはあったのか
アクロスティックよりもうまい棒の方が
遥かに人々の口に合うと言って

言うまでもなく家は取り壊されて
また一人といなくなってしまったから
空地になって
警備員が杖を一振りすると
駐車場が出来上がってうとうとする

いたいいたいいたいところを突く
目覚めのつぼですと指が語る
痛いのは眠さの表れ

テレビの中に映りこむそれを
僕は見ているわけではないのに
あれはハンバーグかい?なんて訊かれて固まる
世界最強の生物
海でも川でも陸でも空でも宇宙でも
生きて行けたらいいのに

限りなく下を向いてしまうから
ストローをくわえる以外に道はなく
細まる道の中をストローはやがて沈んでしまうのを
唇は力なく絶望に暮れかけている
なんと言ったら伝わるのか

深海には深海の言葉があって
密かな鞘の中に小さな翻訳家が隠れ住んでいる
おーいキミはここでね

誰に言ったのか返事はなくて
待っててねのねだけが漂っている
朝は間もなく壊されてしまった
プログラムが感情によって突き破られたように
鳴いているのがきこえる


【2011/01/20 19:21 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
未確認歩行物体
これでもかこれでもか
しゃもじで鬼を懲らしめるように
弁当箱にご飯を詰める

薄汚れて
すっかり浴槽に無頓着になって街に出れば
ちゃらちゃらと雲が集まってくる


必死に伸びて三角定規を作っている
ちょっとごめんよ
穴を潜ってその先へ進む
定規とか定義とか定住とか
本当は苦手なんだ

謎の生物が道路を横切る
猫にしては長すぎる
あれは光の作り出した帯が
生き物の形をみせているだけ
ちがう ちがう
確かに生きている実体がある
触れる

これでもかこれでもか
しゃもじで朝を押し殺すように
弁当箱にご飯を詰める
これはコンビニの代わり まかないの代わり
思い出なんかではない

手放したロープが虚空の犬をつれて揺れている
女の声があとからついてくる

どこに行くの

どこに行くの

ジョイ

【2011/01/19 22:32 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
出入禁止写真展
カウンターの内側
外からは見えない
写真が飾ってある

口を開き何かを言いかけている男
首にタオルをかけ両手に鍵を包んでいる男
腕を組み首を傾けて不満気な顔の男
スーツ姿で真っ直ぐに前を見据えた男
荷物と上着をそれぞれの手に出かけていく男

10年して
こっそりと男は帰ってくることがある
もう
従業員もすっかりと入れ替わり
誰も自分なんて知る者もいないだろう
と こ ろ が
一人くらいは残っているもので

あれ、あいつ……

歳月を身につけて
変容したつもりでいても
切り離せないシルエットがある

再び
カウンター越しに
出入禁止を伝えられる

あなたは出入禁止者だから出入禁止です
一切のご利用をお断りさせていただきます
今後ともよろしく

【2010/12/11 15:08 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
女の子
五歳の
子供が着るようなかわいい服を着て
おばあさんは歩いて行く

フリルのついた
短い
ふわふわのスカートの
裾を揺らして

くすり

曲がり角の向こうに消えた

本当に
おばあさんだったろうか
本当に
五歳だったら

おばあさんは
女の子だった

【2010/12/11 14:55 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
幽霊船
中央通りに座ったのは
自覚などなかったから

それは突然に始まって
感情を一気に異郷へと運ぶ
気づけば零れ落ちている

どこか遠いところに
遥か昔のある朝の中にいるような
気がするのだ

天空で父がピアノを弾いていて
食器が触れたりぶつかったりする音が
硝子の演奏会の中に含まれているような
心地がするのだ

目前にはひとつの船が浮び
繁殖する植物たちが帆を伸ばしている
船長のいなくなった船は航海を終え
旅人の空虚なある朝の中に
ぽっかりと浮ぶ

D 6 船を識別する白いシール

凍りついた波の上に
赤いストローが突き刺さっている


テーマ:自作詩 - ジャンル:小説・文学

【2010/11/08 15:34 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
星をください  
気に入ったものの横には
星をつけておく癖があった

近頃は代わりに入ってくれと言われるよりも
代わりに入らせてと言われることが多くて
だんだんと痩せていくように
詩を書く時間だけ増えて
よいことなのかわるいことなのか
小さな明かりのようなものをたよりに
ふらふらと歩いていくのだけれど
たよりは突然途絶えてしまうから
たよりないたより

ツイッターやっているんですか?

はあ
日本語で話しているのに
検索されないアカウントならあります
やっているって 何が (わたしたちつきあってる)

みんな知らないんだね
何も

僕は何もしていないんだよ

忘れかけていた
アルバムを開いてみると
ところどころに星が散っているけれど
それは今の僕の好みとは少し離れている
一つ一つ聴いていく中に
思いっ切りボリュームを上げたい奴
その横には 星が
ない

どうして

テーマ:自作詩 - ジャンル:小説・文学

【2010/11/05 19:25 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
半袖
半袖を着て歩くと肌寒い夜だった。寒いと感じられることがうれしくて、寒い、寒い、と連呼したくなるほど。長く続いた厳しすぎた夏によって遠ざけられていた寒いが、ここにも、そこにも現れて肌にくっついている。寒い。もう一度、寒い。あの夏との断絶を告げる、寒い。もう、本当に大丈夫なのだ。これからは、日増しに遠ざかってゆくことができる。寒い、寒い。もう一度、寒い。寒いによって確かになっていく決別の事実が、うれしくこみ上げてきては震えてしまう。朝も、昼も、夜も、どこに行っても、どこに逃げても、容赦なく襲ってくる熱は、もう遠くへと去り、これはからゆっくりと肌を包むものが増えてゆくだろう。自分からあたたかさを望むようになるだろう。寒い、寒い。もう一度、寒い。少し寒いけれど、もう少し、寒い半袖でいる。

【2010/11/04 03:19 】 | 言葉のある詩 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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