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さよならの記憶 |
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キミの声が届かなくなって
もうずいぶんたちましたね いったいキミに何が あったのでしょうか 何もなければいいのだけど キミの声が届かなくなって もうずいぶんたちましたね キミと僕との間に いったい何が あったでしょうか あるいは何がなかったでしょうか キミの声が届かなくなって もうずいぶんたちましたね 僕は元気です キミも元気だといいな もうすぐ太郎くんが お別れだそうです 当たり前のように そこにいた頃と変わって 急に みんなが集まってきて わいわい言ってる キミの声が届かなくなって もうずいぶんたちましたね 噂によると キミは変わらず元気だとか 今年も七夕は 7月7日 たったの一日です 好きすぎたものは去らなければならない 願っても 願わなくても キミの声が届かなくなって もうずいぶんたちましたね 時々まちがって キミの声が届いてしまうのは さよならの記憶が 見つからない からです どこにも どこにも |
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正解探し |
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キミの言葉
違うんだって 正しくないんだって 正しいって 何だった さあ、ね でも、僕 わかるよ キミの言葉 でも、僕 好きだよ キミのこと キミの歌 |
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いじめじゃないよね |
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いじめじゃないよね
たまたまだよね 僕たち仲良いよね いじめじゃないよね まさかキミまで 僕を攻撃しないよね いじめじゃないよね 勢い余って 椅子が飛んでしまったんだよね そしたら偶然 僕の足の上に落ちて 小指の爪の先から赤い何かが 流れてきただけだよね だから いじめじゃないよね いじめじゃないよね ほらキミは こんなに笑ってる |
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もう選べないキミへ |
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あさりとかキノコとか
もう混ぜてしまえよ のりとか道理とか 擬音とかネオンとか 価値とか無知とか ネクタイとか文体とか スーツとかルーツとか 礼節とか伝説とか どうでもいいほど おもいものだよ ジャンルとかカテゴリーとか もう交わってしまえよ 成功とか栄光とか ミスとかキスとか ルックスとかセックスとか 会社とか社会とか 規格とか資格とか レースとかブームとか なげやりとは ちがうのだよ どうしようもなく おもいのだよ 傾向とか対策とか もうやめときなよ 課題とか時代とか 本性とか入賞とか ノルマとかモラルとか 貯金とか皆勤とか 経験とか偏見とか 勝ちとか負けとか キミの存在に比べればきっと どうでもいいことだらけだった 生きていく道はなかったのかな どうでもいいこととどうでもよくないことが ときどきどうしようもなくさかさまなんです |
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エル・おおさか |
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エル大阪に着いた
約束の三時には 一時間あった 時間になるまで 私の居場所は 訪れない だから私はグルグルと エル大阪の周りを 回る 坂の多い町 エル大阪を忘れないように 遠くに行き過ぎないように 歩く 回る 一周して帰って来ると 約束の時間は まだまだ遠い だから私はもう一度 エル大阪の周りを 回る 制服の少女 黒いスーツの男たち 老若男女 行き交う人々の中を 歩く 回る 大昔 打ち上げられた衛星のように 再び帰って来ると 約束の時間には まだ早い だから私はもう一度 エル大阪を 回る ちらしを配る人がいる 成功率は 五分五分よりも少し低い 12月の風が 坂道を駆け上がったり 駆け下りたり 平気な顔して 歩いている人も どこかに帰れば 泣いているのかもしれない 他人の顔の中に 自分を探しながら 歩く 回る そして 初めて来たように エル大阪に着いた 約束の時間に ちょうど間に合った ポケットの中に 相談事を 隠し持っていた |
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夢の終わり |
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いい夢だったのに
あんたからの電話 一瞬で 目が覚めたよ 滅多に見れない夢だった どうでもいい電話のせいで ぶち壊されてしまった あんたにはわからないだろう それが どれだけ大事だったか 遮られた夢の続きを どうしてくれる? どうしてくれる? あんた 夢の終わりを 全部ひとのせいにするな もう一度 目を開いて 夢を見よう |
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魔法使い |
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何気ないところから何かを拾って
何もないところから何かを掴んで ささやかでも夢見れたら 魔法使いになった気がする 魔法に鈍感な季節の中で 闇より深い場所から 僕だけのインクは 夏が滲んでいくように ゆっくりと溢れ出す やがて パーティーのように飛散して 小さなポエジーを生み出す 瞬間 ときめきさえ覚えながら ふわふわと 白い絨毯に乗って飛んでいける ほんの少し 奇跡が起きたように 少しの間だけ 魔法使いになった気がする それでいて 世間の視線は 不思議な生き物を見るようによそよそしい 儚く消えていくものへ向けられる 憐れみや哀しみとは遠いそれは 永遠に 相交わらぬものに対して 一層安全な距離を保つように 後退しながら それはやはり 魔法使いを見ているような |
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揺れないネット |
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足の裏でボールを受け止めた時
地球に乗っていることを 実感する 初めて人を抜いた時 少し上達を感じた サッカーが好き 顔を上げれば いつもゴールがあって ネットを揺らせば 偉業を成し遂げたように 祝福される 誰を抜くというわけでもない 詩は どこに向かって書くのだろう いかなるフォーラムで 何人と 一体になれるというのか |
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積もらない話 |
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「お久しぶりです」
現在の時刻を 正確に 述べ合ったような 名前を告げない 自己紹介のような 唐突に 急を要さない 生存確認のような 不思議な儀式 「お久しぶりです」 勢いは先頭がピーク 言うことは 意外なほどそれだけ 今日はこれでお別れです 何も言葉が見当たらないのは やはり 久しぶりだから それとも 見知らぬ人だから またいつか会った日には 同じように言うのでしょう 「お久しぶりです……」 逃げ行く語尾を 少しの微笑で 風船のように魅せながら |
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Let's Go 鼻毛 |
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今日は
いつにも増して 伸びています 切っても切っても 伸びてくる まるで命のように そう言うとまた 少し伸びたみたいで あなたは褒めると伸びる子ですね |
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視点 |
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カメラは
いつも作動している こんなとこにも あんなとこにも みんなが大勢集まるとこにも 誰一人足を運ばないとこにも ほらね やっぱり作動しているね だだっ広い草原でも 延々と続く砂漠でも ほらね あるね 高い高い山の上でも もっと上から見ているものが やっぱり いつも 感じるね 悪いことはできないね こそこそ隠れながらも できないね 誰も見ていないとこで 良いことを しようね それもやっぱり 見られているけどね |
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いいこと |
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歩くことはいいことだ
空気がおいしければ もっとよかったのに 山に登りたくなった * 眠ることはいいことだ 夢だけで暮らせれば もっとよかったのに 時間を止めたくなった * 生きることはいいことだ いいひとがいれば もっとよかったのに 帰りたくなった |
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おもい |
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きもいを消しましょう
新しく生まれたひかり 簡単に消してしまうから きもいは消えません 新しく生まれたことば 簡単には消せません きもいを消しましょう 重いことば 軽く操られてしまうから きもいは消えません 長いことば 短く縮められていくから みんなが言うから きもいは消えません みんなが言うから 言葉の重みに 潰されて 消えてしまう 大切なもの たった三文字 いのちと同じ たった三文字です きもいは言いません |
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推敲バトン |
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日々続けていきなさい
命の続く限り 推敲を重ねなさい そして次に来る人に バトンを渡すのです 妥協を許さずいきなさい 時間の許す限り 推敲を続けなさい 完成を目指し けれども決して 完成させてはなりません 幾度も幾度も 推敲に推敲を重ねなさい そうして次に訪れる命に バトンを渡すのです 日々続けて生きなさい 魂の輝ける限り 推敲に生きなさい そうして完成を目指した未完成を 無事に 手渡せるように この星を 愛するひとを 守りなさい |
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かなしいわかれ |
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悲しい別れだった
名前を呼び合えたこと 親切に差し伸べられた手 いつでも当たり前のことのように 悪ふざけできたりした時間のことも全部 数ある断片の中の一つとして 劣化していくのだろうか * 悲しい別れだった 涙も乾いてしまっていたのは 四月だったから いたよね 確かに ここに 僅かな時間 本当に 微かな予感もないままに 礼も握手もかわすことなくきみは * 悲しい別れだった 何一つ僕は 知りえなかった 一切の素振りも見せなかったきみ 訳を知ったところでもう 変わることは変えられなかった レールはとっくに敷かれていたから * 悲しい別れだった なるようにしかならないけれど 詩を書き残すことで 意味の一つでも見出せるのか 笑わなければ 笑わなければ 枯れそうな言葉の切れ端が 列を成して強がり続けている |
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