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はじまり |
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「なぜ、ゴールが遠いんでしょう?」
「人が守っているからだよ。 誰かの守りたいという気持ちが、 キミを遠ざけているんだね」 * 「なぜ、ゴールが見えなくなるんでしょう?」 「キミが安心しすぎているからだよ。 いつもあると思って、 ちゃんと見ていないから」 * 「なぜ、ゴールへの道が開けないんでしょう?」 「キミがちっとも心を開かないからだよ。 チームメートの名前を 一度でも呼んだことがあるかい?」 * 「なぜ、ゴールが逃げていくんでしょう?」 「ゴールはいつも逃げているんだよ。 あらゆるものがそうであるようにね。 だから、キミは追いかけるしかないんだ」 * 「どうして、ゴールは遠いんでしょう?」 「キミがいつまでも、見失わないためだよ。 ずっと、ずっと、ずっと先まで、ずーっと…… 探し続けるのが、ゴールなんだよ」 |
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静かな訪問者 |
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今日は色んなことがあった
ヤクザとヤクザがにらみ合って その間に食べ残った豚カツが すっかり冷えた厚揚げがあって 酔って弾けた勢いがあって ヤクザとヤクザはエレベーターの中で 夏のオリンピックを目指していたけれど 激しい振動の中で突然一人が落ちて けれどもドアが開くとすぐに起きて 真剣な眼差しの新喜劇のようで 触れ合い動物園での大相撲のようで 否応なしに僕らも参加者に含まれていたんだ 使う気のない剣や斧を振り上げて すぐに 武器よさらば 「さあ、こいやー」 「おまえが、こい」 身構えて言葉を投げ合っていると ついに来たのは街のお巡りさんで 名前を呼ばれて 元気に返事をしたもんだから ヤクザは壷の中に吸いこまれてしまって すっかり何もなかったように静かな夜になった それから雨が降って ジャズが鳴って 10年ぶりの知らない人と 久しぶりの友人が訪ねてきて どうでもいいおしゃべりがうまくなったけれど 本当に言いたいことが言えなくなってしまった 今日は色んなことがあった だから映画のような人生のような 2時間を少しだけ思い出していた 自動ドアの前で 立ったまま眠っている人がいる まるで門番のよう 一体あなたは何を守っている また誰かがやってきて 番人に演説を始めた 雨の中を 身振り手振りを交えながら熱心に 微動だにすることのない夢見る門番に 向かい 伝える相手は あるいは場所は あっているのだろうか 今日は色んなことがあった なのに何も 話し出せない |
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茄子 |
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最初に食べた茄子は
きっと腐っていたんだと思う 平気になるまでかかった 長い長い時間 口惜しい時間 |
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正解探し |
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キミの言葉
違うんだって 正しくないんだって 正しいって 何だった さあ、ね でも、僕 わかるよ キミの言葉 でも、僕 好きだよ キミのこと キミの歌 |
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ナベアツの時代 |
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バナナも
チーズも アンパンも 3になってしまった アホになれるとばかりに |
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簡単な質問/難しい答え |
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はいかいいえではなく
自分の好きに答えられるというのに なぜか重たくなるのはなぜだろう 「趣味は何ですか?」 一番好きなものは簡単には言えない |
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4400子守唄 |
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眠れない夜は
過去の筋書きなんか忘れて 『4400』を見つめていよう 何だかわからないうちに…… ああ、確かに 特殊能力だよ |
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さよならゲーム |
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2回裏のピッチャーゴロの間に
パパとママは結婚して 間もなく生まれた僕が パパとママの間で眠っていたのは ほんの短い間だったけれど パパの肩の上の高さ ママの子守唄の優しさ 僕はちゃんと 憶えているんだ きっと二人の間には 幼い僕が知ることのできない たくさんたくさんの ピンチが転がっていて その全てから逃れることは できなかったんだ あっという間に ゲームは 9回裏 2アウト2塁3塁 僕はひとり さよならのチャンスを眺めている キャッチャーが 立ち上がった ああ やっぱり 歩かされるんだね |
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いじめじゃないよね |
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いじめじゃないよね
たまたまだよね 僕たち仲良いよね いじめじゃないよね まさかキミまで 僕を攻撃しないよね いじめじゃないよね 勢い余って 椅子が飛んでしまったんだよね そしたら偶然 僕の足の上に落ちて 小指の爪の先から赤い何かが 流れてきただけだよね だから いじめじゃないよね いじめじゃないよね ほらキミは こんなに笑ってる |
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エレベーターボーイ |
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「忙しいから上がってきて」
僕はタコのように駆け上がる 「忙しいから下りてきて」 僕はタコのように駆け下りる 燃え落ちていく |
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僕と知らない人 |
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僕が知らない人だから
僕が知らないことをたくさん話した 僕はそろそろ黙らなければならない 僕が話せたのは 僕を知らない人だったから |
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過去の形 |
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「このままでよろしかったでしょうか?」
いいえ あなたに会うのは初めてです はい きっと、そのままで |
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誰でもよかった |
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僕の手紙を
誰かに開いてほしかったのです 心の届く相手なら 誰でもよかったのです * お姫様は 最初の男を無視し 2番目の男を追い返して 3番目の男を迷わず選びました そうして結婚して幸せになりました 本に書いてあったのです ハッピーエンドになることが 最初から決まっていたのです * 19時30分に そこにいたという理由で 若者は 死ななければならなりませんでした 「誰でもよかった」 人間が言いました |
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横殴り |
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キミと一緒に買った
青い傘を 容赦なく貫いていく 4日前の雲から降り注いでくる 雨が 僕を 横殴りにして弄んでいる 今さら さしているものは どこを向いても方向違いだ 4日前に気づくこともなく 笑っていたからだ 100年前の女に 思いっきり殴られて 跳ね返す場所は ここにはない |
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空色 |
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雨は
もう降り始めている まだ届いてはいないけれど 僕は見てるんだ あなたの空色を |
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